松澤穣建築設計事務所

大谷石について


大谷石の採掘場所は別荘から近く、廻りには大谷石の蔵が散見されます。この地に縁ができる前までは、教科書的には、フランクロイドライトが帝国ホテルの素材として選んだこと(それも日本側からは大反対だった)、経験としては時々塀に使われたボロボロと脆い石といった印象くらいしか無かったのですが、この地にとって、大谷石がとても身近で、手に入りやすく、石職人も融通が効くことを知り、積極的に使おうと考えました。

地下の採掘場の空間も圧巻で何度も訪れています。石にはミソと呼ばれる土の塊のようなものが散らばり、木の節とも相性がよく、自然素材の家の内外装にしっくりきます。その性能は、見栄えだけなく、調湿性、蓄熱性に優れ、例えば床に敷けば、素足でもヒンヤリとはせず、土足の場合は、土埃をミソが吸収してくれて、タイルや土間コンのようにジャリジャリすることもありません。

また冬には、お湯を床に撒いてしまえば、表面積の大きさが功を奏し、床面が強力な加湿器となりますし、空気中に蒸発する訳ですので、床面も程なく乾きます。また蓄熱性ですが、外の昼夜の温度変化に対して、緩慢に作用し、夏急激に気温が上昇しても、窓を開け放っていない限り、家の中は涼しいままです。梅雨時も外の湿気に対して、家の中がそのままジメッとするようなこともなく、やはり大谷石の表面積の大きさが、吸放湿性能に影響しているものと思われます。


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