食でつながる


大学で授業終了後に学生たちにパスタを時々振る舞います。ソースはその都度適宜作ります。いままでずいぶん作ってきました。25人前なので、5袋分のパスタを一度にアルデンテで振る舞う術を身に着けました!また冬には、豚を一頭丸焼きにして100名を超える人数で喰らう行事も毎年行っています。

同じ釜の飯を食う。

この言葉は、何も精神論的な意味だけではなくて、物理的にも同じモノが人体の中にあり、同じ影響を及ぼしているわけで、その実感をつくづく感じます。五感全てにおいて開いていたい。最近の研究では、鳩のような磁気の受容器官がヒトにもあるとのことで、第六感なのかもしれませんが・・・そのためには、芸術に食は欠かせないと思っています。もはや食は芸術の一分野。つまり食する空間をもって完結する。

豚の丸焼きは、大谷石で豚一頭分入る約畳一畳ほどの大きさの窯を作り、ひたすら10時間、火を絶やさず100℃前後を維持します。肉内温度を60℃を超えないようにするいわゆる低温調理の方法ですが、15cmの厚みのある大谷石に蓄えられた熱が、野外の寒さの中で巨大なカイロとなって、身体を温めてくれます。食と暖かさの中心となっています。またタンパク質の細胞が破壊されない、そのジューシーさは、塊での低温調理でしか味わえない醍醐味です。食と暖は、薪ストーブを介してここに繋がります。


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