野外で囲む暖炉


留学中、オーストリアの田舎の友達の実家に遊びに行ったときのこと。トウモロコシ畑でヤングコーンを摘みながらの散歩から戻り、夏の夜風に吹かれて、外の暖炉にあたる。少し汗ばんだ衣服が乾いていき、ひんやりした空気と暖炉の輻射熱がとても心地よかった。


いつかはと想い続けて数十年。ようやく実現できました。しかしただの暖炉ではつまらない。予てより気になっていたピザ窯も二階建ての構造があることを知ります。そう!一階の暖炉の二階にピザ窯を載せてしまおう。暖炉を楽しむときは、同時にピザも楽しめる。世界初のピザ窯暖炉(たぶん)暖炉の火を上部のピザ窯に導き、ドーム状の天井に熱気を滞留させ、窯口直前で煙突に導く構造は教科書通り。500℃超えの輻射熱での調理の可能性を感じています。暖炉が燻る状態になっても200℃以上で数時間なので、1分2分の瞬間勝負と時間のかかる低温調理も可能だと思います。ピザでお腹いっぱいの余韻は、穏やかな火加減になっていくピザ窯での肴と酒とともに暖炉が引き継ぎます。外の暖炉は、夜風がヒンヤリしてきた頃から大活躍です。


石は、写真内にもある近くの石切場から調達。大谷石と同じ凝灰岩ですが深岩石といい、産出量も少なく地元以外では使われることは少ないようです。ただ、大谷石より固く密度があり耐久性に勝ります。


夕日と暖炉屋内の暖炉の場合は、壁を背にすることが多く、その向きは間取りに応じますが、屋外の場合は絶対東向きがいいと思います。あかあかと燃える炎の背景は夕焼け空。暮れゆく西の空と炎の明るさが逆転していくさまを楽しめます。



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